ISO14001 株式会社丹青社(東京都台東区)
株式会社丹青社は公共・商業・イベントをはじめとする幅広い分野で、空間ディスプレイの企画・設計・施工を行うリーディングカンパニーである。2001年8月、より効果の高い環境配慮設計を提案・実施するため、本社設計部門でISO14001を認証取得。
ユニバーサルデザインや環境配慮設計の手法を環境マネジメントシステム(EMS)へ取り入れ、エキュート立川や越谷市リサイクルプラザ、名取三越などデザイン性と環境配慮設計を両立した多くの施工実績を誇る。
また、北海道洞爺湖サミットでは国際メディアセンター「環境ショーケース」の企画・設計・施工を担当、世界に誇る最先端の環境技術を世界に発信する大舞台を支えた。
「当初、環境問題に対する社会的な認識の高まりや得意先からの要請などを受けてISOの取得を決意、主要業務である設計部門でISO14001の認証を取得しました。環境マネジメントシステム(EMS)の中に、ユニバーサルデザインや環境配慮設計の手法を取り入れ、社会交流空間に反映させることが目的でした。」
(環境管理責任者:新庄良太郎氏)
→ 企業活動へ続く
規格/スキーム ISO14001 環境マネジメントシステム
環境配慮設計を機軸にしたISOの取り組み
大総合ディスプレイ業のリーディングカンパニーである株式会社丹青社は、2001年8月に公共、商業、イベントなどの設計部門でISO14001の認証を取得以来、2004年8月にはISO14001の更新審査に併せて、認証範囲をすべての事業部へ拡大。 現在は全社を挙げて継続的な環境改善に取り組んでいる。

ISO の認証取得を契機に、新たに「産業廃棄物管理手順書」や「シックハウス防止手順書」を作成。 工事現場から発生する産業廃棄物の抑制や、化学物質による室内空間の汚染を最小限に止める材料の選択と換気によりシックハウスの予防に努めている。
丹青社が推進する環境配慮設計は、次の8つの取り組み項目で構成されている。
- 健康設計(エコ建材、工法による;有害物質素材の使用の排除)
- リサイクル材料(再生材料の採用)
- 省エネ設計(熱損失の防止とエネルギー効率の良い機器の選定)
- 経済寸法(材料の規格寸法の有効利用)
- リユース設計(システム造作構造体やリユース品の利用)
- 安全設計(事故やトラブルの防止)
- ユニバーサルデザイン(誰にも優しい公平なデザイン)
- 文化財保存設計(文化財を良好な環境で展示・収蔵保存する)
「個々の施設の目的や規模、特徴、客層などから状況は異なりますが、各項目に配慮した材料の検討などを行い設計業務をすすめていきます。室内空気汚染には商業施設や博物館・美術館などの文化財などに配慮して重点管理しています」
(環境管理責任者:稲田 豊氏)
→ 企業活動へ続く
写真は洞爺湖サミット 「環境ショーケース」 (写真撮影:林 拳示郎)
社内表彰制度を創設し、社員のやる気を高める
丹青社の社内表彰制度は、公共・商業・イベントなどの各分野において、環境配慮設計に基づく優秀な設計・施工事例などを環境配慮設計推進委員会で審査・評価して表彰するものだ。 これまでも、オフィスの取り組みをはじめ、環境配慮設計、環境配慮施工などの分野で環境活動実績が数多く表彰されている。
「ISO14001に基づくEMS を継続的に運用していくうえで、一番の苦労は先例がないということですね。 例えば、建設現場で出る産業廃棄物の取り扱いなどについては、建設業界とほぼ同じですが、川上の環境配慮設計に関してはお手本になるものがありませんでした。 環境配慮設計の指針などが公開されていないため今もなお試行錯誤しています」
(新庄氏)
→ 強みを営業にへ続く
写真は洞爺湖サミット「環境ショーケース」(写真撮影:林 拳示郎)
企業の強みをどのように営業にいかしていくか
審査登録機関の選定に際して、過去の審査実績や知名度などから総合的に判断してBSI ジャパンに決定した。
「初回審査からずっとBSI ジャパンに審査をお願いしています。 当社の成長と共に審査基準のハードルを少しずつ上げながら、成長に見合ったきめ細かな審査を受けています。 業界に環境配慮設計に対する規格などがない中での取り組みでしたので、最初は試行錯誤の連続でした。今ではEMS の運用レベルに合った審査をしてもらい、また、次の到達点を示唆するような意見などを与えてくれるので、継続的な運用改善に役立っています」
(稲田氏)
丹青社の今後の課題の1つに、環境配慮型企業としての強みをどのように営業に生かしていくかということが挙げられる。
「企業展示会、見本市、プロモーションイベントなどを担当している宣伝・販促イベントでは、お客様からの具体的な要請がとても多いですね。 先のG8サミット(主要国首脳会議)で2050年までにCO2 排出量を50%削減すると宣言したこともあり、地球環境に関する企業や組織、国民の関心度は非常に高い。 来年予定しているある展示会では、カーボンオフセットなどの企画提案を要請されており、各メーカーはCO2 削減対策をどのように展示会などでピーアールするのがより効果的なのかを常に考えています。 一方、オフィス、ショールーム、会議施設、研修施設な
どのビジネス空間などでは営業担当者がこれまで培った知識やノウハウを最大限に活かして受注の増大を目指しています」
(稲田氏)
丹青社は、北海道洞爺湖サミットの国際メディアセンター「環境ショーケース」をはじめ、洞爺湖ビジターセンター「エコ・ギャラリー」、北海道洞爺湖サミット記念「環境総合展2008」の環境省ブースの企画・設計・施工を担当した。まさに、これまでのISO14001の活動が具体的な受注に繋がった瞬間である。
今後は、環境配慮設計に関する活動評価指針を策定し、到達点や目標などを整理して客観的に評価できる目標管理システムを確立して更なる業務改善を目指していく。
本ページ記載の情報については取材時におけるものであり、閲覧をされる時点で
内容が変更されている可能性があります。あらかじめご了承ください。